完璧ではなく、完成を目指す

昔物語を書いていた時期がありました。

きっかけは今でもよく覚えています。

小学生の時授業で教科書の中の写真から1枚選び、それを元に物語を書くという課題がありました。

私はその中から少年と猫が船に乗っている写真を選択し、悪の組織に拐われた少年を3匹の猫が救いに行く話を創りました。

元々本が好きで、当時は「かいぞくポケット」シリーズや「わかったさん」のおかしシリーズなどの冒険ファンタジーをよく読んでいたため、その影響が大きかったのでしょう。

その後も自分で物語を書いては友達に見せて感想を聞いていました。

1度その友達に

「色んな小説の応用みたい」

と言われてしまった時は少しショックを受けましたが、それ以上に自分の想像した世界を文字で表現するという行為そのものが楽しくて仕方なかったです。

今読むと矛盾点が多く、表現もおかしくて黒歴史、駄作と言わざる得ないような出来ですが、それでも楽しんで書いていることが伝わってきました。

 

それがアプリを使って小説を投稿し始めた頃から、書くことを楽しいと感じなくなってきました。

その頃の私はどうしたら読んでもらえるか、どうしたら面白いと思って貰えるのかばかり考えてしまい、書きたい気持ちはあるのに手が動かず先の見えない暗闇の道を歩いているような状況でした。

今なら分かるのですが、この時の私は完璧を求めすぎてしまい、自分があくまでも趣味で書いていることを忘れていました。

作家やマンガ家を目指すのであればそういったことも考えていかなければならないのでしょうが、この世に完璧なものは存在しません。

完璧を目指し過ぎると自分が本当に書きたいこと、伝えたいことも分からなくなってしまいます。

100人中100人が同じ意見を持っているわけではありません。

面白いと言ってくださる人もいれば、つまらないという人もいます。

 

完璧を目指すのではなく、まず始めた物語を完成させる。

そこからさらに工夫を加えることで、物語はより良くなっていくのだと思います。